ピレスロイド類の代謝と化学反応性 : (S)-ビオアレスリンの 7 位水酸化代謝物の立体化学とレスロニルアセテート類の化学酸化
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概要
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天然ピレスロイドおよび(S)-ビオアレスリンのアルコール側アルケニル側鎖は, 混合機能オキシダーゼ(mfo)や化学試薬により容易に酸化されることが知られているが, その詳細については未だ不明なところがある.今回, 光学活性なMTPAエステルの^1H NMRデータを比較する改良Mosher法を適用して, (S)-ビオアレスリンの7位水酸化代謝物は(7R)の立体配置を有すること, すなわちmfo(マウスおよびラット由来)は7位(pro-R)の水素原子を攻撃することを明らかにすることができた.また, レスロニルアセテート類のSeO_2あるいはMCPBAによる酸化物を, HPLCにて精製単離後NMRおよびGC-MS分析により同定しmfoによる酸化代謝物と比較したところ, SeO_2やMCPBAの示した位置選択性と4種のアルケニル側鎖に対する反応性はそれら哺乳動物や昆虫のmfoと類似しており, これらの酸化剤はピレスロイド類の代謝研究のためのモデル反応に利用可能であることが示された.
- 日本農薬学会の論文
- 1993-08-20
著者
-
安藤 哲
Department of Applied Biological Science, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture an
-
春日 紀恵
農工大・応用生物
-
夏目 雅裕
Department of Applied Biological Science, Tokyo University of Agriculture and Technology Fuchu
-
小関 望
Department Of Applied Biological Science Faculty Of Agriculture Tokyo University Of Agriculture And
-
国立 朋之
Department of Applied Biological Science, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture an
-
春日 紀恵
Department of Applied Biological Science, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture an
-
国立 朋之
農工大農
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夏目 雅裕
Department of Applied Biological Science, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology
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