地下試水の微生物群集の中で細菌の分離株 (E-6) による 2, 4-ジクロロフェノールの分解
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概要
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地下水から細菌の一種(E-6)を単離した.この地下水の微生物群集は0.1μg炭素/mlの2, 4-dichlorophenol(DCP)を分解できなかった.濾過滅菌した地下水ではE-6の純粋培養は, その接種密度にかかわらず, 0.1μg炭素/mlのDCPを分解した.しかしながら, E-6を微生物群集を含む地下水に接種すると, その接種密度が10^6細胞/mlのように高いとき以外は, E-6はDCPを分解できなかった.これらの結果は, E-6が微生物群集内でDCPを分解できないのは栄養塩類の欠乏, DCP濃度の低さ, そして, 阻害物質の存在のためではないことを示唆する.DCPを分解できないのは, 微生物群集によるDCP以外の溶存有機炭素(DOC)の除去とE-6がDCPを共役代謝(cometabolism)するためであろう.すなわち, DOCの除去とDCPの共役代謝のために, E-6はDCPの検出可能な分解を示すのに必要な密度まで増加できないからと考えられた.
- 1991-08-20
著者
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瀬戸 昌之
Tokyo University Of Agriculture And Technology
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MARTANI ERNI
Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture & Technology
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Martani Erni
Faculty Of Agriculture Tokyo University Of Agriculture And Technology
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瀬戸 昌之
(Present address)Laboratory of Microbiology, Faculty of Agriculture, Gadjah Mada University
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