ジフェニルエーテル系化合物の 3′位置換基の殺草活性に対する効果
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概要
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ジフェニルエーテル化合物3′位(ニトロ基のオルソ位)のヒドラジン系置換基物性と生物効果の相関について検討し, 3′位の置換基を[-X-Y-R]とすると原子Xと原子Yの間の反応性としてハメット定数σ_mまたはσ_pと生物活性の間に相関(γ=0.85∿0.86)が認められた.異なるジフェニルエーテル系化合物群について, 拡張Huckel法にて, 原子Xと原子Yとの間のatomic bond populationを計算して相関を調べたところ, やはり高い相関(γ=-0.911)が得られた.これらのことからジフェニルエーテル化合物3′位の置換基内の原子Xと原子Yとの間の反応性は生物効果に大きな働きを示すと考えられた.3′位置換基の原子Xの種類による差については, 原子Xが酸素である化合物群は, 試験管試験と屋外ポット試験との相関があったが, 原子Xが窒素である化合物群はその相関が認められなかった.その理由として, 結合原子による物理化学的性質に起因するものと推察した.すなわち, 3′位置換基の原子X-Y間の結合力が, 生物効果に重要な働きを示すのみならず, 結合原子Xにより化合物の物性が変化し, 実用場面での性能に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった.
- 日本農薬学会の論文
- 1989-11-20
著者
-
船越 安信
Life Science Laboratory, Central Research Institute, Mitsui Toatsu Chemical, Inc.
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吉本 武雄
Life Science Business Development Department Mitsui-toatsu Chemicals Inc.
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榎本 祐司
三井東圧化学
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藤田 高
Life Science Business Development Department, Mitsui-Toatsu Chemicals Inc.
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榎本 祐司
Life Science Research Laboratory, Mitsui Toatsu Chemicals, Inc.
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岡野 清久
System Department, Mitsui Toatsu Chemicals, Inc.
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藤田 高
Life Science Business Development Department Mitsui-toatsu Chemicals Inc.
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岡野 清久
System Department Mitsui Toatsu Chemicals Inc.
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船越 安信
Life Science Business Development Department Mitsui Toatsu Chemicals Inc.
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