1-[N-(置換ピリジル)ベンズイミドイル]イミダゾール類の抗菌活性
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概要
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N-ピリジル-イミドイル-イミダゾール類の抗菌活性を, 酸部位およびN-ピリジン部位とに分け, キュウリのうどんこ病と灰色かび病の防除効果で検討した.酸部位では, ortho位に置換基を有するベンゼン環が最もよく, なかでもN-5-chloro-2-pyridylに固定した酸部位には, 2-trifluoromethylphenyl体がキュウリのうどんこ病に9.2 ppm, 灰色かび病に11.6 ppm(EC_<50>)の高い予防効果を示した.またN-ピリジン部位の検討では, 酸部位を2-methylphenylに固定した結果, N-5-chloro-3-methyl-2-pyridyl体が上記病害にそれぞれ12.5 ppm以下および14.3 ppm(EC_<50>)と強い予防効果を示した.それぞれを組み合わせた化合物1-[N-(5-chloro-3-methyl-2-pyridyl)-2-trifluoromethylbenzimidoyl]imidazoleは, キュウリのうどんこ病, 灰色かび病に高い予防効果を示したばかりでなく, 治療効果, 根からの浸透移行による高い活性も有していた.さらに27種の病原菌で抗菌活性を調べた結果, 広い抗菌スペクトラムを有し, とくに子のう菌類, 担子菌類に強い活性を示した.またこの化合物は, 0.125 ppmでイネいもち病菌Pyricularia oryzaeの菌糸の伸長を強く阻害し, トウモロコシの裸黒穂病菌Ustilago maydisでの検討では, 小生子の増殖を著しく阻害した.また栄養培地に上記化合物を1 ppm混入したことで, エルゴステロールの生成を80.4%阻害した.これらの結果より, 本系統化合物は, 他のアゾール系殺菌剤と同様のエルゴステロール生合成阻害が主な作用機構であると考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1988-05-20
著者
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吉村 巧
K.i Chemical Research Institute Co. Ltd.
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弓田 隆司
K.I Chemical Research Institute Co., Ltd.
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平川 勝人
Life Science Research Institute, Kumiai Chemical Industry Co., Ltd.
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澤井 伸光
Life Science Research Institute, Kumiai Chemical Industry Co., Ltd.
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小嶋 芳幸
Life Science Research Institute, Kumiai Chemical Industry Co., Ltd.
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小嶋 芳幸
Life Science Research Institute Kumiai Chemical Industry Co. Ltd.
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澤井 伸光
Life Science Research Institute Kumiai Chemical Industry Co. Ltd.
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平川 勝人
Life Science Research Institute Kumiai Chemical Industry Co. Ltd.
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弓田 隆司
K.i Chemical Research Institute Co. Ltd.
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