除草剤ベンチオカーブの土壌中における分解

概要

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ベンチオカーブのベンゼン環を^<14>Cで標識した化合物および無標識の化合物を用い, 土壌中における安定性とその分解生成物について室内実験により検討した.ベンチオカーブの分解は湛水条件よりも畑地条件で速やかであった.土壌中の全放射能も時間とともに減少したが, 畑地条件のほうが速やかに減少した.土壌中に残った放射能の大部分は有機溶媒で抽出され, さらに抽出された放射能の大部分は未分解のベンチオカーブであった.約20の分解生成物が検出され, その中でdesethyl benthiocarb, benthiocarb sulfoxide, 4-chlorobenzoic acid, 2-hydroxy benthiocarbおよび4-chlorobenzyl methyl sulfoneが比較的主要な分解物として同定され, ほかに4-chlorobenzyl alcoholおよび4-chlorobenzyl methyl sulfoxideなどが同定された.いずれの分解物も施用量の3%を越えなかった.また, ベンチオカーブと6種類の関連化合物の土壌中における分解速度を比較して化学構造と分解との関係を検討し, さらにアルカリ水溶液中の加水分解との関連を調べた.
1976-02-20