色彩を刺激要因に含んだ街路景観の評価について

概要

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この研究の目的は, 景観要素の統一によって街路景観に対する評価がどのような影響を受けるかを定量化することにある。実験は, コンピュータグラフィックスにより作成された刺激をカラースライドで被験者に提示した。実験1: 基本的な街路景観とその修景11種すべての組み合わせについて, 一対比較法を用いた実験をした。評定尺度は, 親近性, 活動性, 統一性, 力量性, 嗜好性の五項目であった。実験2: 色彩統一を含む五因子の要因実験を行った。測定は20対の形容詞によるSD法によった。二つの実験結果の対照から, 以下のような結論がえられた。1) 実験1で用いた三尺度, 親近性, 活動性, 嗜好性は互いに非常に近い尺度と考えられ, 実験2で抽出された評価因子と置き換えられると考える。2) 評価に関しては, 高明度低彩度色がその評価をあげると考える。街路樹の存在, スカイラインの不統一, 広告塔の存在も評価をあげる。すなわち, 日常見慣れた景観要素による構成が評価が高いと考えてよい。3) 統一性に関しては, 二つの実験で色彩統一による要因に対して, その評価に若干整合性が欠けた。広告塔の除去, 街路樹の付加が統一性を高める。4) 力量性は, 高明度低彩度色の色彩統一によるものが力強さを軽減する。広告塔の存在, スカイラインの不統一は力量性をあげる。
日本色彩学会の論文
1990-09-21

色彩を刺激要因に含んだ街路景観の評価について

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