選択表面反射の導入によるKubelka-Munk関数の改良
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概要
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Kubelka-Munk関数は, コンピュータ・カラーマッチングに広く利用されている。しかしながら, この関数では, 高濃度染色領域(反射率が5%以下)に於いては, 十分な精度が得られない。染色濃度とK/S値との直線性を改良する方法が, Pineo, Aspland, Fink-Jensen, Love-Oglesby-Gailey等により提案されている。これらの改良は, Fresnelの反射光だけに着目して, なされたものである。しかしながら, この方法では, 中程度の染色濃度以下の場合は, 効果があるが, 高濃度染色領域では, その効果は小さい。筆者らは, この問題について, 研究を行ない, 実測分光反射率に, 選択表面反射率(SSR)の補正を加えた以下の式を提案することにより, R=R'-f2[(n-1)^2+(n・f1・K/S)^2]/[(n+1)^2+(n・f1・K/S)^2]この式で, R'は, 実測分光反射率, Rは, 真の分光反射率, nは, 屈折率, f1, f2は係数, K/Sは, 真の分光反射率から計算されたK/S値 淡色から濃色にいたる広範囲な染色濃度範囲で, 染色濃度とK/Sの直線関係が, 著しく改良されることを見いだした。
- 日本色彩学会の論文
- 1986-02-27
著者
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