反応染色における染着性の補正と色予測
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概要
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染料の染着挙動の研究は, 染色平衡の研究, 染色速度論的研究, 統計力学的研究として取り扱われている。しかし, これらの研究は, 個々の染料が単独で, しかも理想溶液 (希薄溶液) で検討されていて, 実際の染色系で取り扱われる複数個の染料の共存下 (配合染色) での染着挙動を考慮したコンピュータ・カラーマッチング (以下CCMと記す) 計算に関する研究報告は, ほとんど見当たらない。筆者らは, 反応染料におけるCCM精度の不良原因は, 個々の染料がそれぞれ単独状態で染着する染着性と個々の染料がそれぞれ共存した場合の染着性が異なるためであることをつきとめ, 研究の結果, 個々の染料相互における染着性の補正を加えた以下の式を提案することにより, 色予測精度が向上し, CCM精度が著しく向上することを見出した。[numerical formula] iは, ある染料 j, kは, 他の染料 Pi は, ある染料iを他の染料 j, k と単位濃度で配合染色した場合の i の染着率 (DI)i は, 染料 i の染着性指数, 式中のΠ記号は, 総乗を示す, m は, jからk を示す 染料 i の染着性指数 (DI)i を上式により求め, つぎに通常のCCM計算によって, 求められた染料 i の染着濃度 Ci に, 先に求めた染着性の補正を加えることによって, 染料 i の補正染着濃度 Ci' は [numerical formula] によって求めることができる。同様にして, 染料 j, k の補正染着濃度 Cj', Ck を求めることができる。
- 日本色彩学会の論文
- 1989-02-10
著者
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鈴鹿 正和
(株)住化分析センター
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野崎 博史
(株)住化分析センター カラーシステム事業部
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鈴鹿 正和
(株)住化分析センターカラーシステム事業部部長兼大阪営業所
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鈴鹿 正和
住化分析センターカラーシステム事業部
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