体液性高カルシウム血症を併発した上行結腸未分化癌の1例
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概要
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体液性高カルシウム血症を併発した上行結腸未分化癌を経験した.患者は41歳の男性で, 右下腹部痛を主訴に来院した.急性虫垂炎の診断にて開腹したが, 上行結腸に手拳大の腫瘤を認め, 上行結腸癌と診断し右結腸切除術を施行した.病理組織学的検査にて未分化癌と診断された.術後の腹部CTで肝右葉と外側区域に直径1.5〜2.0cmの肝転移を3個認めた.術後80日目に体液性高カルシウム血症を発症し, bisphosphonate製剤にて血清カルシウム値は改善したが, 術後105日目に肝転移による肝不全のため死亡した.大腸癌に体液性高カルシウム血症を合併することは極めてまれであり, 検索しえたかぎりでは20例の報告しかなく, ほとんどは腺扁平上皮癌あるいは低分化腺癌であり, 未分化癌は1例のみであった.これらの型の大腸癌はまれではあるが, 進行した状態での治療時には高カルシウム血症に注意する必要があると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2005-08-01
著者
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