南シナ海北部大陸縁辺域における地球物理学的特徴 : 海洋科学技術センター海底下深部構造フロンティアデータベースの一応用例として
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概要
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南シナ海北部の大陸海洋遷移域に見られる地磁気・重力異常の変化および地殻構造から,海洋性拡大前のリフティングと大陸の引き延ばし過程について,考察を行った.遷移域における地磁気異常および重力異常は,陸側から海側にかけてシャープな正-負異常が観測される.その地殻下部には,7.0-8.0km/sといった地震波速度の速い層の存在が確認された.磁気異常の解析から,北緯18°付近に,海洋性地殻を主たる磁性体とする北限があり,磁気異常11と同定されたことより,南シナ海は,漸新世後期(32Ma)に南北方向に拡大を開始したと考えられる.現在得られるすべてのデータのコンパイルには,最近開発したフロンティアデータベースシステムを活用した.一海域の特徴を総合して判断するためには,精度の揃ったデータの一元化が必要であり,多角的な解析を行うことにより発達史の議論が可能となる.
- 2000-12-25
著者
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木戸 ゆかり
海洋科学技術センター
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木戸 ゆかり
海洋研究開発機構 地球深部探査センター
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木戸 ゆかり
独立行政法人海洋研究開発機構地球内部変動研究センター
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Kido Yukari
Frontier Rsearch Program For Subduction Dynamics Japan Marine Science And Technology Center (jamstec
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