術中照射をとり入れたStageIV進行膵癌の集学的治療 (<特集>第21回日消外総会シンポII 進行消化器癌に対する集学的治療)

概要

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膵癌は,診断がついた時点ですでに切除不能であることが多く,また,切除できた症例についても短期間で再燃する傾向があり,化学療法,放射線療法などに対しても抵抗性がつよく,したがって,その治療成績はきわめて不良である.たとえば,愛知県がんセンターにおいて1975年1月から1980年3月までの約5年間に開腹手術をうけた膵癌症例41例のうち,術後6カ月以上生存したものは14例(34.1%),1年以上生存したものは3例(7.3%)にすぎなかった.そこで,われわれは,1980年4月以来,膵癌の治療にベータートロンによる術中電子線照射をとり入れ,手術,術中照射(以下IORと略す)に,化学療法,免疫療法を加えた集学的治療を行うことにより,治療成績の向上をはかってきた.今回はこうして術中照射をとり入れて治療した膵癌症例のうち膵癌取扱い規約によるStage IVの進行膵癌の19例の治療成績を,当院で術中照射なしで治療した対応する症例群の成績と比較しつつ報告する.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1983-10-01