直腸癌手術後に上腸間膜動脈症候群をきたした1例
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概要
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上腸間膜動脈症候群(以下,SMASと略記)は急激な体重減少を契機として発症することが多く,原則的には保存的治療が奏効する.われわれは,直腸癌の腹会陰式直腸切断術後にSMASを発症し,保存的治療が無効で手術を施行した症例を経験した.術後に小腸が小骨盤腔に落ち込み強固に癒着して腸間膜根の過緊張をきたし,上腸間脱動脈が十二指腸水平脚を圧迫したことが原因であった.これに対して十二指腸授動術を行い,いったんは軽快したがSMASは再発した.再手術では十二指腸空腸側々吻合術を施行した.術後8年経過した現在に至るまで腸閉塞は起こさず,良好に経過している.SMASの手術適応は諸家によりさまざまであるが,上部消化管造影と超音波検査とをあわせて腸間膜根部の可動性を適切に評価することが治療方針を決定する上で重要である.手術術式は,十二指腸空腸側々吻合術が,手技的にも簡単で吻合口も十分にとれ治療効果も確実な方法として推奨される
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1999-12-01
著者
-
岡 正朗
山口大学医学部第二外科
-
和田守 憲二
小郡第一病院外科
-
森 尚秀
山口大学第2外科
-
森 尚秀
山口大学 医学部消化器・腫瘍外科
-
森 尚秀
山口大学医学部外科学第二講座
-
岡 正朗
山口大学医学部応用分子生命科学系・外科学第二講座
-
濱崎 達憲
豊浦病院
-
和田 守憲二
亀田総合病院外科
-
和田守 憲二
亀田総合病院
-
浜崎 達憲
山口大学医学部第二外科学教室
-
森尚 秀
山口大学医学部先端分子応用医科学消化器・腫瘍外科
-
濱崎 達憲
国立山口病院外科
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