白血病治療中の骨髄抑制期に発症した急性腹症の2手術例
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概要
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骨髄抑制期にある造血器腫瘍に併発した急性腹症では手術適応の決定が困難である. 我々は白血病治療中の骨髄抑制期に発症した大腸憩室炎と急性虫垂炎に手術的治療を施行した2例を経験したので報告する. 症例1は46歳の女性で, WBC 2,000/mm^3 (好中球1%)で右半結腸切除術を施行し, 上行結腸に穿通性仮性憩室を認めた. 症例2は68歳の女性で, WBC 400/mm^3 (好中球0%)で虫垂切除術を施行し, 著名な変質性炎症をともなう急性虫垂炎であった. 両側ともクリーンルームで術中術後管理を行い, 出血・創感染なく白血病治療が再開でき手術は有効であった. 骨髄抑制期においても原疾患の病期を問わず適応症例には十分な周術期管理のもと積極的に手術を施行することにより原疾患の治療成績の向上が望めると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1996-05-01
著者
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