血清 carcinoembryonic antigen 高値により発見された早期胃癌の1例
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概要
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患者は66歳の男性で, 血中 carcinoembryonic antigen (CEA) の高値により全身諸臓器の精査を行い, 胃内視鏡検査で幽門輪近傍に llc 病変の口側部が発見された. その間 CEA 値は経時的に上昇していき, 術前の血中 CEA 値は 171ng/ml にまで上昇した. また, 胃液中の CAE 値も 249ng/ml と高値であった. 幽門側胃切除を行った. 組織学的には深達度 sm の高分化腺癌で, CEA 染色で癌細胞の多数が陽性に染色された. 術後 CEA 値は漸減し80日目に正常化した. 早期胃癌例で血中 CEA 値がこのような高値を示すことはまれである. また, 本例は胃液中の CEA 濃度も高く, 血中のそれと両者を併せ持つ症例は厳重な胃の検索が必要であると考えた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-11-01
著者
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