Natural human TNF-αとnatural human IFN-αの合剤(OH-1)の肝動注療法により著効を示した切除不能肝癌の2例

概要

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超音波,computed tomography(CT)などの開発により,肝癌の診断は近年飛躍的な進歩を遂げ,比較的早期の癌が発見されるようになった.また,手術手技や術後管理の向上もあり,治療成績は向上している.しかし,本邦では肝硬変症の合併や,進行して発見されることが多く,その切除率は依然低率である.これら切除不能肝癌に対し化学療法,動注療法,肝動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization,TAE),肝動脈化学塞栓療法などが積極的に施行され,その効果が広く認められている.しかし,これらの療法に使用される薬剤はほとんどがMMC,ADM,5FU,CDDPなどの従来の抗癌剤である.今回,われわれはサイトカインの1つであるnatural human tumor necrosis factor-α(nHuTNF-α)とnatural human interferon-α(nHuIFN-α)からなるOH-1を単独,または5FUと併用し肝動脈より連日動注することにより著明な腫瘍縮小効果を認めた症例を経験したので報告する.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1988-05-01