降下性壊死性縦隔炎の1治験例
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概要
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患者は41歳男性.咳嗽, 背部痛, 発熱を訴え, 胸部X線写真・CTで縦隔陰影の拡大, 両側胸水及び心嚢水を指摘された.咽頭炎が原因と考えられる縦隔炎と診断され当科に紹介入院となった.入院後直ちに開胸ドレナージを施行した.術後ドレナージ・抗生剤の投与にもかかわらず発熱が続き, 症状の改善を見ないため, 第10病日より前縦隔の洗浄を開始した.胸水からは嫌気性菌であるBacteroides, Peptostreptcoccusが検出されたが, 洗浄開始後菌は消失した.CRP等の炎症所見も正常化し, 第63病日退院となった.縦隔炎は稀な疾患であり, 依然致死率が高い.CT等による早期診断及び積極的かつ効果的なドレナージが必要であり, 開胸によるドレナージ並びに縦隔ドレーンからの洗浄が有効であった.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 1999-01-15
著者
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佐藤 澄
京都大学医学部附属病院輸血細胞治療部
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横見瀬 裕保
日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器科
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田村 康一
日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器外科
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佐藤 澄
関西電力病院 呼吸器科
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佐藤 澄
日本赤十字社和歌山医療センター 呼吸器外科:(現)京都大学医学部 呼吸器外科
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大野 暢宏
日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器外科
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大野 暢宏
日本赤十字社和歌山医療センター 呼吸器外科:(現)市立長浜病院 呼吸器科
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横見瀬 裕保
日本赤十字社和歌山医療センター 呼吸器外科:(現)香川医科大学 第二外科
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