ピルビン酸ナトリウム添加培地による河床石面付着層細菌群集の増加割合と環境要因の関係
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概要
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多摩川の5地点と秋川の1地点から採取した河床付着層試料について、4種類の濃度の異なる培地を用いてピルビン酸ナトリウム添加培地と非添加培地による細菌群集のCFUの増加割合と環境要因との関係を解析した。各地点の河川水の水質分析結果とCFUの増加割合を比較したところ、1PYG培地におけるCFUの増加割合は河川水のDOCと有意の負の相関を示し、1/64PYG培地のCFUの増加割合は河川水のCa^<2+>濃度と負の相関関係を示した。これらの結果は、(i)DOCの低い水域に生息する河床付着層の細菌群集の一部は有機物を豊富に含むlPYG培地ではコロニーを形成できないが、ピルビン酸の添加によってコロニー形成できるようになったこと、(ii)Ca^<2+>濃度が低い環境に生息する河床付着層の細菌群集の一部は有機物濃度の低い1/64PYG培地ではコロニーを形成できないが、ピルビン酸の添加によってコロニー形成できるようになったことを示唆していた。また、ピルビン酸ナトリウムの添加に関わらず、最大CFUが得られた培地濃度は大きくずれなかったため、ピルビン酸ナトリウムは単なる炭素源として利用されたのではないことが示唆された。
- 日本微生物生態学会の論文
- 2001-09-29
著者
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