ヒト単クローン性クリオグロブリン第III報. 蛍光偏光度測定によるJir(IgG3K)の分子性状の解析
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概要
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クリオグロプリンの温度依存性溶解度変化の分子機構は未だ明らがでない. 免疫グロブリンの生物学的機能と構造との関係を明らかにする目的がら研究を行ってきたが, 本論文では, 蛍光偏光測定法を用いて水溶液中でのクリオグロプリン分子の熱力学的挙動をミ***ーマ蛋白と比較しつつ調べ, 溶解度変化との関連の解明を試みた. DNS基を導入した試料を用い, 定常励起法で試料温度を約40-10℃の間で変化させ, 偏光度(P)を求め, Perrin-Weber式に従って分子の回転緩和時間(ρh)を求めた結果, DNS-Jir, (ρh=170nsec),対照群(ρh-90nsec)を得た. さらに分子サイズとρhとの関係を求めるために, DNS-BSAと抗BSA抗体(Fab)の可溶性複合物の蛍光偏光測定, ならびに, 種々の溶媒中での測定を行った結果, 通常の免疫グロブリンとの比較がら, クリオグ口プリン(Jir)の示す高い回転緩和時間が, 分子の剛直性によるものと推論され, 熱力学的観点がらの考察も併せて行った.
- 産業医科大学学会の論文
- 1988-12-01
著者
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