カップ関節形成術の成績に影響を与える因子の解明

概要

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カップ関節形成術は1939年にSmith-petersenが報告して以来,股関節の再建術として追試されてきた。しかし近年では限られた施設で行われているに過ぎない。我々は1959年から1990年まで股関節に対するカップ関節形成術を209例238股に対して行ってきた。このうち131例152股について追跡調査をし,成績に影響を与える要因を検討した。平均追跡期間は2年から25年で平均9年11カ月で,調査症例の手術時年齢は平均34.5歳であった。術後成績は,日本整形外科学会股関節症判定基準で術前が61.8点に対して術後は73.9点と改善していた。症状として疼痛の軽減もしくは消退に優れており,可動域は減少した。調査症例の83%は臨床症状に改善を認め,その成績は長期にわたって安定していた。年齢,術前の症状特に術前の可動域,両側罹患か片側罹患かが成績に影響を与えていた。疾病の種類では,大腿骨頭壊死症や慢性関節リウマチの成績は不良でカップ関節形成術の適応はないものと結論された。X線学的な評価と臨床成績は一致しなかった。これから脱臼位で二次臼を形成する二次性股関節症はカップ関節形成術のよい適応と考えられた。その際にChiari骨盤骨切り術などの補足手術を用いると成績は向上していた。カップ関節形成術は症例を厳選すれば人工股関節置換と共存可能な股関節再建方法といえる。

カップ関節形成術の成績に影響を与える因子の解明

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