発達障害児における"内的"事象についての報告言語行動(タクト)の獲得と般化
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概要
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自閉症と診断された5名の児童を対象として、遊び場面での訓練と条件性弁別訓練を用いて、「楽しい」遊びと「恐い/びっくりする」遊びに対する2種類の報告言語行動(タクト)の獲得を試みた。訓練の結果、対象児は"内的"事象のタクトを獲得したが、この獲得においては、遊び場面の訓練だけでは十分ではなく、環境の弁別刺激との条件性弁別訓練を必要とした。さらに、獲得されたタクトは、未訓練の課題に対しても現れうることが示された。これは、対象児が、"内的"事象について、自発的に、環境事象の一つを条件性弁別刺激とすることで報告したことを示している。また、この報告は未訓練の聞き手に対しても現れた。これは、"内的"事象の報告がbehavior trapにのりうる行動であり、日常へも般化しうる可能性を持つことを示している。
- 1991-09-30
著者
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