全国シェアが想定できない場合の地域別販売力評価方式の適用と有効性評価
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概要
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本論文は、既に提案した「地域別販売力評価方式」のうち、「全国シェアが想定できない場合」に適用する方式の実務面から見た有効性を明らかにすることにある。本評価方式では、「地域別販売力」を、ある特定時点の市場での支配力を示す「地域別市場占有力」と、市場占有力の2時点間の変化を示す「地域別販売成長力」との2つの要素で定義している。本評価方式は、一般に行われている市場指数を用いる市場規模分析の方法に、シェアと時系列の概念を導入して体系化し実用性の拡大を図ったものであり、当該製品の全国シェアが想定できるかどうかにより、その算定方式を変えている。このうち「全国シェアが想定できる場合」の方式については、先の論文で紹介を終えている。本論文では、利用可能なデータが更に制約される「全国シェアが想定できない場合」の方式について、実際の適用事例を通じて、実務上の有用性を示すとともに、本方式による評価結果を、販売管理業務のみならず、販売計画立案に利用する典型的過程を示す。また、実適用に際しての留意点と、「全国シェアが想定できる場合」の方式との併用の有意性についても述べる。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文