オン・ライン・ネットワーク・システムの近似解析
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概要
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各地にある端末機を通して中央に置かれたコンピュータでサービスを行なうような、いわゆるオン・ライン・ネットワーク・システムが多く利用されている。このようなシステムにおいて、同時にサービスを受けている客の数がある限度を超えると、ふくそうの発生によるコンピュータの処理率の急激な低下が考えられる。それで、システムの能力を最大限に発揮するためには、むしろ端末機のいくつかを休止させ、ふくそうを回避する必要が生ずるであろう。本論文では最適端末機数の決定に役立つよう、端末機数を与えたときの平均システム時間を求める。本論文におけるオン・ライン・ネットワーク・システムのモデルは1台のCPUと多数のサービス・ステーションからなる。それぞれのサービス・ステーションには同数の端末機が設置されている。各ステージョンヘの客の到着は独立で同一の到着率を持つポアソン過程に従う。客がCPUに要求するサービスは指数分布に従う。また、CPUサービスの前と後に、それぞれ指数分布の入力と出力時間を要する。CPUはプロセッサ・シェアリングの方式でジョブを処理するが、その処理率は処理中のジョブ数に依存する。本論文では、システム全体をコンピュータ・サブシステムと各ステーションにおける待ち行列サブシステムに分解することにより、近似的な解析を行なう。CPUとすべての端末機からなるコンピュータ・サブシステムは閉待ち行列網としてモデル化し、近似的な平衡解を求める。また、各ステーショジにおける待ち行列サブシステムはそのステーションの客とサービス窓口にあたる端末機が含まれ、近似的にM/G/m型待ち行列と見なされる。そこで、コンピュータ・サブシステムの近似解を利用して、近似的な平均サービス時間が得られる。よって、平均待ち時間は近似的に求められる。本論文の最後に、解析結果に基づく端末機制御法を提案する。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
著者
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