待ち行列網における一対のパルム測度の性質とその応用
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概要
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平衡状態にある待ち行列網を考え、そこの一つの窓口に注目する。ここの客の到着及び退去時点列は、待ち行列網が平衡状態にあるので、 定常な時点列となり、それぞれパルム測度P_a、P_dを構成する。P_aのもとでは、時刻0に客が到着するという条件が含まれるので、任意時刻での網の状態は平衡ではない。P_dについても同様である。またP_a日のもとで、時刻0に到着した客の退去直後での網の状態は、P_dのもとでの任意の客の退去直後の網の状態と同じ確率分布に従うということも証明を要する。ここではエルゴード性を仮定してこれを証明し、いくつかの応用を考察する。例えば、M/M/S_1→M/S_2ではP_dのもとで、一人の客の一、二段目の滞在時間は互いに独立であることは知られているが、この事実はP_aのもとでも成立することが容易に導ける。なお、二つの定常な時点列の間に、一人の客の到着と退去時点のような一対一対応があるならば、この二つの時点列から構成される二つのパルム測度についても上言のような関係は成立する。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
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