教養教育の将来 (<特集>教養の解体と再構築)
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概要
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戦後わが国の大学の一般教養が何故十分な成果を挙げられなかったのか。その分析を行い、次いで教養概念を検討する。教養概念はまず西欧において個人が生まれた12世紀から始まり、大学等において形成されていった。教養という言葉の本義は、「いかに生きるべきか」という問に対する答にあり、必ずしも個人だけでなく、集団においても問題となっていた課題である。個人が成立する以前においては農民や漁民、手工業者たちは集団で「いかに生きるべきか」という問に答えてきた。彼らの思考方法は動作や振る舞いで示され、文字や書物はほとんど関わりがなかった。しかし個人が成立して以後教養はもっぱら文字や書物によって表現されるようになり、それ以外には教養はないかに思われてきた。教養をさらに豊かにしてゆくためには、これらの非言語的教養を重視し、大学における生涯学習を特に学部において行う中で新しい学問体系をつくってゆかなければならない。
- 1999-12-30
著者
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