地方・地域別にみた市販板こんにゃくの品質比較

概要

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全国2地域・7地方の市販板こんにゃく124点について, 物性, 固形物, こんにゃくマンナン(KM)含有量, 無機質及びpH等の面から品質の比較を行い, 地方・地域差を検討したところ, 以下のような結果が得られた。1) こんにゃくの破断強度は, 加熱試料(水切り後, 98±2℃で20分間加熱処理したもの)において, 西日本の方が有意に大きかった。2) こんにゃく1枚当りの重量は, 東日本の方が, 固形物含有量は, 西日本の方が有意に高かった。また, KM含有量と破断強度との相関をみると, 生試料(水切り後, そのままのもの), 加熱試料ともに, 地域差はみられなかった。しかし, 全国における生試料, 加熱試料での相関をみると, いずれも正の有意な相関関係を示すことが認められ, KM含有量が多いほど破断強度は大きいことがわかった。3) 灰分量, カルシウム量, ナトリウム量, pHは, すべて西日本の方が有意に高かった。4) KM含有量とこんにゃく100g当りの価格との相関では, 地域差はみられなかったが, 西日本において有意性が認められた。以上より, こんにゃくの性状を比較すると, 品質にはかなりの地方・地域差があるが, その指標となるものは破断強度, KM含有量, 無機質があげられるようである。また, 従来から言われているように, 北のこんにゃくは軟かく, 西のこんにゃくは固いと言えるようである。
1986-12-20

地方・地域別にみた市販板こんにゃくの品質比較

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