使用済みフライ油の各種吸着剤による改質
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概要
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揚げ調理に使用した油を簡単な吸着処理によって劣化生成物を除去し、フライ油の使用限界を延長することを目的として、形状の異なる3種のゼオライトを含む11種の吸着剤でイワシ調理油を処理し、処理後の油の自動酸化安定性、着色度、酸価などについて比較検討した。1.ゼオライトは酸化安定性をわずかながら向上させたが、脱色効果はなかった。2.カキ殻、セラミックスおよび酸化カルシウムは無添加油とほぼ同程度あるいはややよい酸化安定性を示したが、油の着色度を増加させた。3.活性炭および活性白土はフライ油をよく脱色したが、酸化安定性を著しく低下させた。4.水酸化アルミニウムゲルおよび酸化マグネシウムは脱酸能に優れ、とくに前者は脱色効果も大きかったが、両者とも油の酸化安定性を大きく低下させた。5.ケイ酸は酸化安定性を低下させた。6.数種の吸着剤を混合使用したが、酸化安定剤と脱色性を同時に満足させる条件は見出せなかった。
- 1993-02-20
著者
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