煮の研究 : 第5報 : 水煮によるホウレンソウの葉色の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
家庭における入手情報を模し、市中の小売商より随時購入したホウレンソウを試料として実験し、次の事を確めた。冷水あるいは10%食塩水中にホウレンソウを浸した場合、葉肉内に水が侵入し葉の乱反射装置を損傷するため、明度が減少しそのため変色する。水が侵入しない場合変色は著しくなかった。ホウレンソウを水中で加熱すると、水温が70〜80℃に達した時、明度と彩度とが増加し葉の上面は鮮緑色化した。各種の溶液または純水中でホウレンソウを煮沸する場合、1/2分から5分までの煮沸時間内ならば、葉の変色は煮沸時間の長短には関係したかった。塩水煮沸は純水煮沸よりも葉の変色が大になるとは断定し難かった。いずれの煮沸の場合も変色は明度の減少によることが大きい。アセトン可溶性色素は煮沸によって吸収曲線を余り変化せず、変色に対する寄与は比較的小であるとみられる。酸性煮沸では主としてクロロフィルの破壊による変色がおこった。
- 日本調理科学会の論文
- 1981-12-20
著者
関連論文
- 煮炊とタマネギの物理的性質
- 二段消火ガス炊飯器による炊飯
- 葉菜の水煮 : 重量と体積の変化
- 煮の研究 : 第5報 : 水煮によるホウレンソウの葉色の変化
- 煮の研究 : 第4報 : 食品からの電解質の溶出
- 沸騰水中の加熱による野菜の物理量の変化
- 4.煮の研究(第5報) : 水煮によるホウレンソウの葉色の変化(近畿支部第7回研究発表会講演要旨)
- 3.煮の研究(第4表) : 水煮による食品材料からの電解質の溶出(近畿支部第7回研究発表会講演要旨)
- 煮沸中の野菜の水と固形分の収支 : 第6回研究発表会講演要旨 : 近畿支部
- 豆腐と調理