摘果ミカンを利用したゼリ-の製造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
廃棄物である摘果ミカンの有効利用を図るために,その果実を用いてゼリーの試作を作った。温州ミカンは早生品種 (興津),中性品種(久能),晩生品種(林)の3種類を用いた。試作ゼリーのゲル強度は,ゲル化剤の添加率と破断応力値から構築した関係式により,市販品と同じ強度に調製した。摘果ミカン果汁は完熟果汁に比べて糖含量が低かった(ショ糖で1/4,果糖で1/2,ブドウ糖で1/2)が,逆に酸含量は高かった(クエン酸で3倍,リンゴ酸で5倍)。摘果及び完熟果汁から成分調整して作られたゼリーは,甘さ,酸っぱさ,おいしさの3項目について比較した。その結果,両者の間に有意差は認められず,同等に品質を持つゼリーが製造できた。摘果ミカンは高い酸含量のために,ゼリー製造に要する使用果汁量が節約でき,これを利用した方が製造効率の点で有利であり,未利用資源の活用にもなることが明らかになった。
- 日本調理科学会の論文
- 1997-08-20
著者
-
Inazu Tadao
Food Research Institute Kagawa Prefectural Government
-
Makino Yoshio
Kagawa Prefectural Fermentation & Food Experimental Station
-
Makino Yoshio
Kagawa Prefectural Fermentation & Food Experimental Station
-
稲津 忠雄
Food Research Institute, Kagawa Prefectural Government
-
牧野 義雄
Kagawa Prefectural Fermentation & Food Experimental Station
関連論文
- 摘果ミカンを利用したゼリ-の製造
- Effective Moisture Diffusivity of Fresh Japanese Noodle (udon) as a Function of Temperature