ハムシ類の化性と精子形成期
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概要
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1) 1化性で成虫休眠をするハムシ類の精子形成期を調べた結果, 精子形成は羽化時にはまったく認められず, 休眠中に行われることが判明した。2) 多化性で成虫越冬をするハムシ類の精子形成期を調べた結果, 精子形成は羽化時に完了している種と羽化後まもなく形成される種に大別された。3) 1化性で成虫休眠をするハムシ類にJHAを処理した結果, 休眠前の成虫は休眠を回避し, 休眠中の成虫は休眠から醒めて摂食を再開した。いずれの成虫にも1か月以上生存する個体がみられたが, 死亡時に精子形成はまったく認められなかった。4) 越冬中の1化性および多化性ハムシの精巣の発育状態は越冬前と大差なく, すべての種に精子が認められた。多化性ハムシには夏眠をする種があったが, 夏眠中の成虫にも精子が認められた。5) JHA処理をした1化性ハムシでは精子が形成されていないにもかかわらず交尾行動がみられた。しかし, 夏眠中の多化性ハムシでは精子が形成されているにもかかわらず交尾行動はみられなかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1983-05-25
著者
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