イエバエのDDTに対する抵抗力と神経感受性
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概要
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DDTに対する抵抗力の異なったNAIDM系, CSMA系, DKM系の3系統のイエバエについて, これらの神経感受性を比較した。神経感受性は露出した胸部神経索にDDTリンゲル液を作用させ, その刺激作用を脚からの活動電位誘導によって調べ, 50%の個体に影響の現われるDDTの限界濃度を比較検討した。その結果, DDTに対する抵抗力と神経感受性の間は密接な相関が認められ, DDTに抵抗力の最も弱いNAIDM系統は神経感受性が最も高く, DDT抵抗力の最も強いDKM系統は神経感受性は最も低く, 両系統の中間の抵抗力を示すCSMA系は中間の神経感受性を示した。その結果, イエバエの神経のDDT感受性はDDT抵抗性の一つの大きな要因となっていることが結論された。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1962-12-20
著者
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- Handbook of Toxicology. Volume III : Insecticides, William O.NEGHERBON 編, (1959), A4判, 854ページ, 5600円, W.B.Saunders Company (Philadelphia) 発行