アブラムシの有し型胎生雌の出現について : X.トウモロコシアブラムシAphis maidisの有し型出現に対する食草の熟度および汁液度の影響
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概要
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いろいろな程度に成熟したオオムギおよびタカキビの葉をしおれさせ, これをトウモロコシアブラムシAphis maidisの幼虫に与えて有し(翅)型出現に対する食草の熟度や汁液の濃度の影響を調べた。また母虫を同様にしおれた葉で飼育し, 次世代における有し型出現にどのような影響を及ぼすかを調べ, 次のような結果を得た。1)トウモロコシアブラムシの幼虫は収穫直前の黄化したオオムギの葉ではほとんど生育しない。2)食草が若い場合には汁液濃度とは関係なく有し型はほとんど出現しない。しかしその熟度が高いほど有し型の出現数も多くなる。3)食草熟度の有し型出現に対する影響は寄主植物の種類により異なるようである。4)しかし汁液濃度は寄主植物の種類を問わず, 有し型出現には関係ないもののようである。5)幼虫がしおれた葉の上に過剰に生息する場合には, 尋常葉上における同じ場合より多数の有し型を生ずる。6)母虫をしおれた葉で飼育しても次世代の有し型出現には影響が見られない。また母虫, 幼虫を続けてしおれた葉で飼育しても同様である。7)トウモロコシアブラムシは食草の質的変化に対しては有し型出現の点においてキビクビレアブラムシRhoplosiphum prunifoliaeより敏感であるよに思われる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1960-12-31
著者
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