現代の大学生における自己愛の病理(大学生のメンタルヘルスと心身症)
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概要
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大学の保健管理センターに来談する学生たちの中で, 自己愛の病理が問題となるケースが増えてきたという印象がある.典型的なケースは自己愛人格障害であるが, 摂食障害, スチューデント・アパシーなどでも理想化された自己像が問題となることがある.彼らの万能で尊大な自己像の背後に, 傷ついた無力な自己像が隠されている.今回は, 摂食障害の女子学生と自己愛人格障害の男子学生の症例を検討し, その自己愛の病理を明らかにし, 精神分析的精神療法の立場から考察した.自己愛の病理を示す例の個人精神療法においては, 初期には穏やかな陽性転移を維持し理想化を引き受け, その後, 自己愛的な自己像を明らかにし, それを徐々に手放し現実的努力によって自尊心を向上させる方向へ導くという手順が有効と思われる.
- 2000-03-01
著者
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