家蚕における集合性行動の研究 : 第3報 行動型の解析および個体間の相互関係について
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概要
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1. 家蚕の集合性の行動を観察した結果,1時間内外で安定した集合状態になることがわかった。その過程は初期,中期,終期の三期に大別できる。2. 初期は2個体の接近と個体間の確認,中期はより大きな群に発展する時期,終期で群は安定,静止状態に入る。3. 行動の型は30分前後を境にして異り,前半は積極的に移動し動きは活発,後半は逆になる。4. この間の個体相互の接近接触の型は,正向位,追行位,横向位,交叉,同方向体位,逆方向体位,後向体位の7型に分けられ,前3型は初期,交叉は中期,後3型は終期に多く見られる。5. 絶食させた個体にも集合性は存在するが,行動のリズムがやや異なる。正常個体に対してはっきりした反応を示す点から,互いに引きつけ合うのが,摂食に関連したものであることがうかがえる。6. 接触群は無制限には拡がらず,4∼6個体の集団が最も多く見られる。7. 以上の点から家蚕の集合性行動は,摂食,休止という家蚕の生活リズムに附随して現われるもので,生存上の適応行動であると考えられる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1964-12-25
著者
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