数種りん翅目昆虫の中腸細胞質で増殖する Enterobacter sp. : II.血清学的性状について
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概要
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感染した幼虫からの細菌の分離,精製法を検討した。Percoll density gradient methodでは遠心管のほぼ中央部に乳白色のbandとして細菌が得られた。しかも菌体には全く影響を与えずに精製できることが判明した。この精製菌を免疫原として,兎に注射して抗血清を作成した。作成した血清はelectrosyneresisおよびfluorescent法ともに本菌にのみ反応し,他の対照菌にはまったく反応しなかった。また,別に作成した抗Serratia血清はSerratiaのみに反応し,本菌には反応しなかった。幼虫にこの細菌を接種して,electrosyneresis法で検索したところ,本菌に感染した幼虫にだけ特異抗原が検出され,本菌の感染を血清反応で判定することができた。また,fluorescent法により,本菌の中腸細胞の細胞質内増殖を観察した。特異螢光は主として中腸の細胞質内にのみ認められ,その特異螢光が菌の増殖に伴って拡大した。また,増殖部位は光学顕微鏡または電子顕微鏡観察像と一致した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1987-02-25
著者
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