細胞質多角体病ウイルスの交差感染・発病と食草種ならびにストレスとの関係
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概要
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1) ハスモンヨトウを異なった食草種で飼育し,アメリカシロヒトリCPVによる交差感染後の発病状況を調査したところ,発育期間を延長するような飼料価値の劣る食草種で飼育した場合は死亡率が著しく高まり,死亡時期も早まった。一方,カイコCPVに感染したアメリカシロヒトリやヒメシロモンドクガを異なった食草種で飼育し治ゆ経過を調査したところ,食草種を変えても治ゆ経過には影響が見られなかった。上記の調査における交差感染率は,食草種により明らかな差が認められなかった。2) アメリカシロヒトリやヒメシロモンドクガにカイコCPVを交差感染させ,治ゆ過程に入った脱皮期以後の各時期に,5°C 24時間飼育,絶食,Na-EDTA投与の処理を行い治ゆ経過に及ぼす影響を調査したところ,いずれの場合も新たな多角体形成は認められなかった。3) 以上の結果から,治ゆを伴わないが発病へい死を免れるような抵抗性は,宿主昆虫の生理条件に左右されやすいが,治ゆ現象はこれとは異なり,飼育条件等の影響を受けにくいことが明らかとなった。
- 1984-02-25
著者
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