儀礼の正装論議に見る現代バリの宗教事情
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概要
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近年,インドネシアのバリ島の儀礼や公式の行事の場面で,正装着用の規律が口やかましく言われるようになってきた。さらにここ数年,色や生地まで統一した「制服」の着用も目につくようになった。それは,ある場面では一族の団結を誇示し,別の場面では村や青年団といった団体の規律と統制のとれている様子を顕示するものである。しかし最近になって,火葬の場で黒の正装を身に付けることが流行するに至り,それにたいする批判が新聞紙上をにぎわすまでになった。こうした「正装議論」がかいま見せる,今日のバリ人の,とくに宗教分野における動きとその置かれた状況を,以下に考察する。
- 1995-06-30
著者
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