思春期・青年期における重症児の発達と医療(<特集>重症児者の医療と地域ケア)
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概要
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かつて重症心身障害児(以下、重症児と略す)は、幼児期に亡くなることが多く、生き抜いても思春期に大きく体調を崩して成人になれないと考えられてきた。しかし近年、医療と教育の発展により、成人を迎えることはけっして珍しいことではない。一方、重症児には10歳以降に退行現象が出現する可能性がある。特に思春期には、身長スパートとこれに伴う急激な体の変形拘縮、運動機能の退行、摂食や呼吸の障害を引き起こすことが少なくない。よって、この時期から身体諸機能の適切な評価を行い、重症児の生活環境を含めた介護方法の再調整が、その後のQOLの向上につながる。特定の者による介護の特殊化で対応すると、重症児とその家族の健康と生活の維持が困難となる。重症児の「自立」のためには、医療と教育が専門性を発揮し、地域福祉も一体となって連携し、保護者のみに支えられていた軸足を社会にシフトすることで、彼らの生活を同等に維持しサポートすることが不可欠であろう。
著者
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