訪問看護実習において学生が捉えた"家族" : 実習記録を通して
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概要
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訪問看護実習の中で学生は家族をどのように捉えたのかを明確にし、教育方法の方向性を探るため、実習記録を分析した。その結果、6つのカテゴリーが抽出された。(1)家族の価値観が介護に大きく影響している。(2)家族関係というものが重要な環境の一つとなる。(3)家族はセルフケア機能とセルフケア能力を持っている。(4)家族以外の支援を必要としている。(5)家族はそれぞれの発達段階や課題を持っている。(6)家族は介入に対して複雑さを呈している。この6つのカテゴリーは、「家族ダイナミックスとは、個々の家族成員が相互に関連し合い、その相互関連性が新たな機能を生み出したり、逆に機能を低下させるというように常に変化し続ける動的な存在」とした時にそれを形成していく要素だと考える。1つ1つのカテゴリーが円滑に相互作用することにより、家族ダイナミックスがポジティブな方向に作用していくということを学生は感じ取っていた。このような結果を踏まえ、家族の存在・役割・機能について、科学的・論理的に教育内容を整えて学習の方向づけをしていくことの重要性が明らかになった。
- 聖隷クリストファー大学の論文
- 2002-12-20