東京湾沿岸の埋立地で見られる植物群落における二次遷移過程(第5報) : 裸地化後11年目から15年目までの状況(自然科学編)

概要

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東京湾沿岸の埋立地の一角にある千葉県立衛生短期大学構内に設置した調査地(1m×2m)について,裸地化後11年目(1997年)から15年目(2001年)までの植物群落の二次遷移の過程を観察・調査し,次の事項を知ることができた。1.群落の相観はピラカンサPyracantha sp.,セイタカアワダチソウSolidago altissima,ヨシPhragmites australis,ススキMiscanthus sinensisによって特徴づけられていた。2.調査地内で見られた植物は木本種のピラカンサ,多年生草本種のセイタカフワダチソウ,ヨシ,ススキ,冬型一年生草本種のカラスノエンドウVicia sngustifolia,多年生草本種のスギナEquisetum arvense,ヘクソカズラPaederia scandensの7科8種であった。2000年6月に木本種のトウネズミモチLigustrum lucidumの侵入を確認した。3.最大草高×植被率を空間占有値として,出現種のその変動の様子をみると,ピラカンサが調査期間を通じて高い値を示し,トウネズミモチが2000年6月以降高い値を示した。セイタカアワダチソウ,ヨシ,ススキは調査期間を通じて,夏季に高い値を示した。4.調査地とその周辺を加えた区域全体は,木本種が目立つ相観となっており,多年生草本種の優占する群落から低木林へ移行しつつあると考えられる。
千葉県立衛生短期大学の論文