ブロイラーの育成時における消化管内容物中のセレン濃度
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概要
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[Author abstract]Two experiments were conducted to study on selenium metabolism of growing broiler chicks. Male broiler chicks receiving commercial feed for broiler were used in two experiments to study the effect of growth stage and times after start of feed intake on selenium levels in contents of alimentary canal. Selenium levels of sample were determined by the same method of previous paper. Although selenium level in contents of cecum was significantly increased, the levels in those of most part of alimentary canal were not influenced by growth in growing broiler chicks. After start of feed intake, selenium levels in contents of most part of alimentary canal were significantly decreased. Thus, it was considered that the decrease of selenium levels may be caused by the recoverable faculties of digestion and absorption with intake of feed.[著者抄録]ニワトリのセレン代謝に影響をおよぽす諸要因について検討するため、ブロイラー専用種の初生雄ビナに 8週間、市販のブロイラー用配合飼料を給与し、2, 4, 6, 8週齢に消化管7部位の内容物を採取して、成長にともなう消化管内容物中のセレン濃度の動態を検討した。また、4週齢のブロイラー雄ビナを用いて、給餌開始より4時間後までの各消化管内容物中のセレン濃度の経時的な動態についても検討を加えた。その結果は次の通りであった。1. 消化管内容物中で最も高いセレン濃度を示したのは、盲腸であり、次いで十二指腸,空腸部分であった。十二指腸以降の消化管では盲腸を除き、下部になるに従って、その内容物中のセレン濃度は低下し、十二指腸、空腸でのセレンの吸収が示唆された。2. ほとんどの消化管内容物中のセレン濃度は、成長に伴って、その動態に変化はみられなかったが、盲腸では4週齢以降で顕著にそのセレン濃度が上昇した。これは盲腸の特異性によるものと考えられた。3. 血液、肝臓および腎臓中のセレン濃度は成長に伴い上昇したが、6週齢頃よりほぼ一定水準に保たれた。4. 絶食後、給餌を開始することによって、ほとんどの消化管内容物中のセレン濃度が有意に低下した。これは絶食によって停滞していた消化・吸収機能が、給餌によって回復することによるものと推測される。
- 近畿大学の論文
- 1983-03-15
著者
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