占領期に行われた保健婦駐在の制度比較に関する史的考察
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概要
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1. 背景:保健所保健婦の駐在制は我が国の保健婦活動体制の中で特殊な歴史を有し、島嶼である本県における公衆衛生向上の貢献度は大きいが本制度の比較に関する研究はこれまで殆ど行われていない。 2. 目的:戦後の保健婦駐在制は占領期に GHQ の指導で一部地域で開始し、中長期的に実施したのは少数県と見られた。沖縄の施政権分離の特殊事情、島嶼の状況等から制度の違い及び意義を確認する。 3. 研究デザイン:各県の保健婦職能委員長に駐在制採用の有無に関するアンケート調査から中長期に実施した県を選定。書簡、インタビューでの補足の基に関連文献の分析による比較研究。 4. 結果及び結論:県内全域を対象に中長期に実施したのは香川、和歌山、高知、沖縄の4県である。直接間接的に GHQ の影響を受けて開始したが社会の変化、保健需要増大に伴う国の施策の影響で廃止した。本県は米国の直接統治や島嶼の要因から駐在は琉球政府の責務とし、離島を含む県内全域に保健婦活動を浸透させ、公衆衛生の向上に貢献した。離島は島嶼の絶対条件から今後も人材確保が危惧される、時代に見合った新しい離島支援のあり方の構築や開発が望まれる。
- 沖縄県立看護大学の論文
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