重度痴呆性高齢者のグループ回想法がQOLにもたらす効果
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概要
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本研究の目的は、グループ回想法が、重度痴呆性高齢者のコミュニケーション活動を促進させ、日常生活行動の改善にどのような効果が得られたかを明らかにし、今後のグループ回想の位置づけを考えることである。対象は老人保健施設痴呆専門棟入所者5名。調査方法は回想法開始前と6回のグループ回想法終了後にMini-Mental State(MMS)・高齢者行動評価表による評価及びグループ回想中の集団への関わり方を集団関与尺度によって観察し、グループ回想法の効果を分析した。その結果、MMSは5人とも低下していたが、高齢者行動評価・下位尺度の痴呆に開しては4人が改善した。更に、下位尺度問題行動においても4人が改善していた。介護者が声かけすることによって、他者への関与は充分得られた。グループ回想法は、重度痴呆性高齢者の残存能力を維持し、高齢者間の相互交流や集団生活への適応を高めることができた。今後もケアに関わる者が、回想法を活用して昔話を語る機会を創り出す、継続的な援助が重要であることが示唆された。
- 1999-09-25
著者
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