「伝え合う」学習活動の可能性
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概要
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新・中学校学習指導要領では,国語科の目標として,「伝え合う」という学習活動が新たに盛り込まれた。「伝え合う」ための具体的な学習活動として,どのような活動が想定されるのだろうか。筆者は,伝え合いが実現できる場面だけでなく,伝え合いが容易にはできない場面についても,その実態を省察させる学習活動に大きな学習効果が期待できると考え,授業実践を試みた。学習者のことばの力の意図的計画的発達を志向する国語科の授業において,「伝え合う」活動は日常的なことばのかけ合いにとどまるものではないということを学習者に自覚させる必要がある。そこで,本研究では,書きことばを媒介とした話し聞くという総合的な言語活動を通して,どのような学習成果が得られるのかを考察していくこととする。結果として,相手意識に基づいた「伝え合う」活動を実践しようとする中で,ことばの生かし方を吟味しようとする学習者の反応傾向が見られた。また,授業の前後における反応比較より,ことばを生かすための方法に関する量的および質的側面における変容が認められた。
- 広島大学の論文
- 2003-03-28