鉄棒単元におけるスポーツミラーによる運動画像の即時フィードバックの効果

概要

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体育授業や部活動の指導において、各種のスポーツの運動技能を習得するためにビデオシステムは効果的な教育機器のひとつであり、多く用いられている。しかしこのシステムでは、撮影したビデオテープを巻き戻してから再生しなければならないため、運動直後に見ることはできない。また、短時間での多人数のフオームチェックは不可能なため、授業などでの活用には制限がある。そこで、ビデオカメラとモニターの間に、意図的に時間遅れを作るインターフェイスを用いることによって生徒が数秒後には自分の動きを観察する方法(スポーツミラーシステム)を中学生を対象とする授業で試み、スポーツミラーを採用した群(S群)と採用しなかった群(C群)との間で比較検討した。対象運動は鉄棒運動のけ上がりとした。その結果、C群に比べてスポーツミラーを用いたS群の方が習得率が高い傾向が見られた。また、生徒自身による自己評価と教師による評価の差もS群は小さく、より正確に自身のフォームや動きを認識していることが推測された。以上より、本法は自身のフォームの認識がしっかりとでき、そのため上達のスピードを上げるのに効果的な方法であると思われた。また、練習のモチベーションを高める点からも指導上有用と思われた。従来のVTR利用による映像観察とは異なり、スポーツミラーは運動直後に自分のフォームやプレーを見ることが可能であることが最大の特徴である。したがって、運動の修正をしやすい利点を持っている。時間遅れを長くすれば、多少長めの運動やカメラから離れた距離のプレーを見ることができる。体育の授業だけでなく、さまざまな運動指導場面で応用できる方法であることが示唆された。
北海道教育大学の論文
2003-11-30

鉄棒単元におけるスポーツミラーによる運動画像の即時フィードバックの効果

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