自治体と生産者によるリサイクル・システムの厚生比較 : 日本とドイツの容器包装リサイクル法を例として
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概要
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2財を考え、財1をリサイクルの必要な財とし、財2をリサイクルの必要のない財とした。人々は、それらの一つを生産する二つの企業のいずれかに属すものとする。消費された財1のうち、リサイクルされないものは廃棄物として処分される。廃棄物量を一定量に固定化した下で、リサイクル・システムとして、リサイクルを自治体に負担させるシステムと生産者に負担させるシステムのどちらがより高い社会的効用を実現するかについて考察した。その結果、生産者負担システムの方が自治体負担システムよりも優れていることがわかった。その理由は、次のように要約される。ゴミの最終処分地問題が深刻化すると、財1の生産は社会全体の立場からは、財2の生産と比較して相対的に非効率なものとなる。したがって、社会全体としては、財1から財2へ生産をシフトさせることが望ましい。廃棄物量を減らすには、リサイクル義務量を引き上げるか、財1を生産する企業1の人口を減らすかする必要がある。生産者負担システムの場合、企業2はリサイクル義務を負わないので、結果として、非効率的な財1の生産は大幅に削減することができ、財2への生産のシフトを円滑に行うことができる。ところが、自治体負担システムの場合、リサイクル義務量を増やしても企業1の人口を減らしても、企業2もリサイクル義務を課されているので、社会の総リサイクル量が大幅に増加してしまう。その結果、財1の過剰消費・大量リサイクルという非効率的な社会システムが誕生してしまう。
- 岐阜聖徳学園大学の論文
- 1999-07-01
著者
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