自閉症をともなう児童・青年の発達過程に関する比較研究 : II.行動症状とその決定因
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概要
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本研究の目的は2つあり，年齢，性，IQ，脳波異常の分布の等しい自閉症をともなう児童・青年91名と精神遅滞をともなう非自閉症の児童・青年87名を対象として，第1に，自閉症行動チェックリストの5症状の発達過程を比較し，第2に，因子分析によって抽出された4つの個体要因が発達の諸側面に及ばす役割について検討することであった．結果は，（1）両臨床群における発達過程の最たる相違は＜対人行動障害>に見られ，この領域が自閉症をともなう児童・青年の発達過程の中で最悪であること，（2）2つの臨床群における自閉症状の決定因の一貫した相違は，総じて＜脳機能障害>，<生理的未成熟>，<全般的発達遅滞>の複数の因子に見られることを示していた．これらの結果は，病態成因論，予後論，治療論的観点から論議された．The purpose of this study was twofold: first, to compare the developmental process of the 5 behavioral symptom in the Autistic Behavior Checklist and, second, to investigate the role of 4 individual factors extracted by factor analysis on the developmental process. 91 autistic children and 87 mentally retarded children aged 3 to 19 years, equated for distributions of age, sex, IQ, and abnormal EEG served as subjects. The results showed that (1) the largest difference in the developmental process between the two clinical groups was found in "disturbances of interpersonal behavior", and this symptom was the worst in the developmental process in autistic children, and (2) the consistent difference in the determinant of developmental process between the two clinical groups was found in multiple factors of "physiological immature", "general developmental retardation", and "brain dysfunction", as a rule. These results are discussed in terms of pathogenetic, prognostic, and therapeutic implications.
- 上越教育大学の論文
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