Experimental Studies on Pattern Characteristics in Panoramic Thermography
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概要
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赤外線サーモグラフィは体表温に関する機能的検査法として医学的意義が大きいのみならず,受動的検査法で完全に安全であるため理想的な臨床検査法であり,近代医学には不可欠な検査法の一つとなっている。しかし,従来の面走査方式のサーモグラフィには身体の1側面を平面視した熱画像しか得られないため,臨床応用上本質的に避け難いいくつかの重大な欠点があった。そこで著者らは身体各面の熱画像を展開像として一度に映像化する展開サーモグラフィ法を3種考案した。とくにパノラミックサーモグラフィ法(PT)は,体表の熱画像を身体の全周域にわたるまで連続的に撮影するユニークな方法である。PTは身体を中心軸のまわりに回転しながら,その回転軸上の体表をサーモカメラで線走査を繰り返すという独自のイメージング技法を採用しているため,従来の面走査方式のサーモグラフィのすべての欠点を改善することができ,とくにその画像特性が注目される。本研究は各種のサーマルパターンを用いて,PTの画像特性について実験的な検討を行ったもので,その結果つぎのような特徴が認められた。(1)体表全域に及ぶ連続的な熱画像が得られる。(2)PT像の形状はサーモカメラのフレームタイム(T_f)と被写体の回転時間(T_r)及び撮影距離(D)によって変わる。Dが1/nになるとPT像は回転軸方向にn倍に変化するが,T_f/T_r比が一定であれば展開軸方向には変化しない。T_f/T_r比が1/nになるとPT像は展開軸方向にn倍に変化する。(3)PT像の被写範囲(RRA)はサーモカメラの1フレームタイム(T_r)間の被写体の回転角度で,T_f/T_r×360°と表される。RRAの値が小さいほど展開軸方向の拡大像が得られる。(4)上記のPT像の像拡大に伴って,画像分解能のみならず温度分解能も向上する。(5)面走査法では被写体の周辺で指示温度が低下するという大きな欠点があるが,PT法では全域で正確な温度指示値が得られ,被写体の表面温度に忠実な熱画像が得られる。
- 東海大学の論文
- 1995-03-30
著者
-
加藤 一一
芝浦工業大学工学部通信工学科
-
長澤 明範
Department of Biomedical Engineering, School of High Technology for Human Welfare, Tokai University
-
加藤 一一
Department of Electrical Communication, Shibaura Institute of Technology
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