スタンダードオイルカンパニーニュージャージーにおける解体と再編過程
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概要
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今世紀初頭にアメリカ石油産業において圧倒的な競争力を有していたStandard Oil Company(New Jersey)は,1911年にアメリカ最高裁により子会社33社の分割を命じられた。これにより同社は,規模的には縮小を,機能的には原油採掘,輸送部門に比べて精油,販売部門が突出するという不均衡な状態を余儀なくされた。この状況に直面した経営陣は事業間の不均衡を解決することを課題としたが,実際には消極的と言わざるを得ない設備投資にとどまり,事業は解体以前と変わらない方法によって行われていた。しかしながら1910年代後半に従来の戦略が見直しとなると,積極的に設備投資が行われた。その結果,懸案であった原油採掘能力と輸送能力を上昇させ,垂直的統合を再び完成させるに至った。そして積極的な設備投資は精油部門でも行われ,精油生産能力を上昇させた。それは1920年代を通してのドラスティックな事業拡張を導くものであった。本稿では,この解体からの再編過程を,同社の企業成長の基盤を築いたものとして考察する。
- 慶應義塾大学の論文
- 2000-06-25
著者
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