ハイドンの交響曲 : 時代的推移による考察II
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概要
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ハイドンの最大の功績は交響曲にあった.彼の作品全集には104曲の交響曲がはいっているが,実際には約150曲位であったとされていて,他のどんな様式の曲よりも多い.その第1番が1759年のもので,最後が1791年のもので,期間的には短いが,これほど多く書いているのである.彼は約30年間エステルハージ公の管弦楽団の楽長として,それを自由に使うことを許されていて,一歩一歩あらゆることを試みることができた.そして,古典派の交響曲の基礎を確立したのであった.ソナタ形式による第1楽章,リード形式による第2楽章,メヌエット(第3楽章),ロンド(第4楽章),という四楽章配列,ソナタ形式における二つの主題の性格的対立,主題の展開などの楽式的原理と弦楽の四部編成(第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,低音弦),クラリネットはほとんど使われていないが,二管編成などの管弦楽の基礎構造は,ハイドンによって確立されたのであった.そして,モーツアルトはクラリネットを重要な位置におき,逆にハイドンに影響を与えた.このようなこともあり,ハイドンはモーツアルトと並行して交響曲の開拓を行ない,その後,彼らの遺産をついだベートーヴェンによって容内が充実されるのである.
- 名古屋女子大学の論文
- 1977-03-15
著者
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