術前動注療法・温熱照射療法・内分泌療法が奏功した巨大炎症性乳癌の1切除例
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概要
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炎症性乳癌は,急速な伸展をみせる予後不良の疾患で,臨床的には乳房皮膚の1/3以上の発赤,浮腫を伴う乳癌とされる. 患者は65才女性,右乳房の巨大な腫瘤と広範な皮膚発赤浮腫,腫瘍からの出血を主訴に当院に入院した. 胸部CTでは巨大な腫瘤を認め,大胸筋への浸潤,腋かリンパ節の腫大,皮膚肥厚を認めた. 動注化学療法として右胸背動脈よりエピルビシン20mgを,内胸動脈より30mgを投与した. 2回目の動注療法直後にショック症状を呈したため,それ以降の投与を中止した. 内分泌療法としてMPA600mg/日,放射線治療50Gy,温熱療法6回を施行した. 併用療法の効果はPRで,腫瘤は著明に縮小した. 定型的乳房切除術+腋かリンパ節郭清を行った. 術後1年5ヶ月の現在再発の兆候なく外来通院中である. 炎症性乳癌の術前治療として動注,温熱照射,内分泌療法は有用であると思われた.
- 長崎大学の論文
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